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by watarajp

マイケルハドソン著「超帝国主義国家アメリカの内幕」感想

1970年代に原著は書かれながらも、翻訳が日本の出版社への圧力によって日本版が頓挫した本です。
「日本語版への序文」「プロローグ」「エピローグ」など加筆され2002年版としてやっと陽の目を見たというのがびっくりな本である。
タイトルは、とても刺激的であるが、中身は、戦後唯一の大国となったアメリカが、いかに戦後、都合のいい国際体制を作ってきたかということである。
米異国での出版時、ワシントン官僚が多くの読者になり、いかにアメリカ優位の政策を創っていくためにも読まれたそうである。

IMF体制成立におけるアメリカVSイギリスの論争、イギリスの譲歩と個別撃破的にすすむアメリカ依存体制。もちろん、当時は、正しいのだろう。何しろ、唯一の債権国であり大国であったのだから。
ましてや戦後ソ連をはじめとする陣営と戦わなければならなかったこと、そういったことも含め世界全体の政府機構が、決定した体制だから。
しかし、ケインズに代表される、イギリス側が、アメリカの優位な対場を徹底的に利用され負けていくのがわかる。
IMFの機構釣り、本部の所在地、戦争での莫大な債権国と債務国の立場の違い。すべてが、面白い。IMF本部をロンドンにその後譲歩しニューヨークに主張しながらも、結局ワシントンになったことは象徴的事態ではある。イギリスの債務国の弱さである。
他方、それ以降の後進国の経済援助・融資がいかにアメリカに還流されるようにできたのかは、実質的出資者がアメリカだから、当たり前なのだろう。
もし、東南アジアの戦争など、軍事支出の莫大な支出。軍事的な緊張なある地域への融資・援助とそうでない地域への融資・援助が、状況目的に応じ違うのだからご都合主義である。
アメリカ的「ダブルスタンダード」は今でも何も変わっていない。

ところで、冷戦終結後の今日では、この本に書かれていることが、別な意味で重大性を持つと思う。

つまり、金融の持つ意味の重大さだ!

金の裏づけがあった時代から68年金プール製の崩壊、71年の金とドルの兌換停止(ニクソンショック)。これらを通じて、実は、債務超過になったアメリカの大国としての位置がさらに債務国であるがゆえに強くなっていった、という主張は新鮮である。(少なくとも私には)

それにしても、為替の決済(最終的にである。)が、当時中央銀行において行われ、そのために外貨準備が必要なのだが、黒字になった分をアメリカの短期債権に投資するという構図は実のところ変わっていない。
かつては、金も外貨準備としてあったらしいが、今はどうなのだろう??
この本によると、日本は、先進国の中でjはとりわけ低いらしいが。

詰まるところが、あらゆる通貨がドルによって決済されるという現実の中では、ドルを管理するアメリカ政府・FBRの金融政策が、重要な意味を持つ。
現在の為替投資する際も、根本的な意味で、通貨とは、ドルとは、考えながら投資するのも、ただ儲けを楽しむ以上に一興か?

つまり、実体経済の必要性以上に投機的マネーが世界をめぐりまわる現在も、通貨が国家の信用のみによってこそ成り立つことを考えると、その立場の人たちの苦労は、いかばかりだろう??

この著書の話に戻るが、やはり、世界経済がおうなっているのか、それゆえ庶民が自らの資産を守るためにも考えることはあろう。

つまり、貿易赤字国アメリカの債務は常に各国の中央銀行が持つドル資産(米国の銀行等によって管理される債券、預金)は、アメリカ国家という信用のみによって成り立つ。
かつてのように金によっての裏打ちがない。世界経済の本丸アメリカが、何かあれば、資産価値も何もあったものではない。ただの数字である。
そして、そのために各国の中央政府・銀行は絶対に協調せざるを得ない。
(第一次大戦後のように、戦後賠償も含めヨーロッパ債務国の巨大な赤字によってハイパーインフレが起こり貨幣はただの紙くずになり、現物経済のようになりかねたこと、そしてそのことの対処策として、各国の通貨切り下げ競争と経済のブロック化によって自国経済圏のみの成長・復興を成し遂げようとしたことは、完全にできない時代であるということ)
だから、国家破綻のようなことは(少なくとも実態はともかく国民がそう思わせてはいけないのだ)あってはいけないことである。
選挙が近いから、言わなくなったが、終われば、また増税論議は始まるのでしょうか??

そうすると、資産とは何か?ないにが安全?何によって表されるのか?
そういった問いも出よう。

だからこそ通貨の金融政策の意味が今ほど大きい時代はなかろう。
国民は、うまくだまさないといけないと思っているのかもしれない。
特に、日本の財政赤字が巨大であればあるほど思案してしまいます。
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by watarajp | 2006-04-20 17:46 | 読書