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読書と日常がメインの日記です。


by watarajp

読了「饗宴」プラトン

高校時代に読んだ本を改めて読んでみた。20年以上前になるが、そのときは分からなかった、としか言いようがない。もって回った話の仕方。誰の主張がどういう主張かという理解以前的なものがなれなくて難しいと感じた。

今にして思えば、誰の発言か、その趣旨は、、考えながら読むことができる。高校時代とは違って、今回は非常に面白く感じた。でも、やはり口述による文章の展開はやはり論旨の明確さをいろいろとることができて苦手意識は変わらないけど。」

内容的には、宴会でのエロス賛歌である。と同時にソクラテス賛歌である。
ファイロドロスとアリストデモスの賛歌についてのソクラテス的批判である。これも自身が、デぃオテぃマトソクラテスとの議論という語りで深められていく。エロスを偉大な神という2者に対しソクラテスは、エロスを愛を「人は自ら欠いていて所有せぬものを愛求するものだ」という一致点からさらに話を続ける。人と神の「中間者」としてのエロスを賛歌することによって知を愛することをすすめるのだ。「偉大なる神霊(ダイモン)」というのは、なかなか理解しづらいのだけれど、当時の神託や、神々への姿勢は、偉大でありながら、神話に語られるように人間化もしている。人によって語られる、言葉とすること以上、神を人間的に捉えざるを得ないのかとも気がしました。

「エロスは、愛智者である」
この時代の「愛」というは今の時代の「愛」と違った感じもする。
また、「智」とはないか?
「善きもの」が「幸福」なのであり、幸福なものが幸福なのは、善きものを所有に因る。すべての人は善きものを永遠に所有し希求する。
人間賛歌の気がします。
生殖の問題もここから来るようです。もっとも美しきものとして。そして、永久のものとして生殖が不死を望む、ゆえん。
ちょっといいがたいのですが、「愛」は人間に根源的なものであり、「善きもの」を希求すべき、そして、、、、。

もう一度考えます。
by watarajp | 2011-04-22 15:28 | 読書